
こういった疑問にお答えしていきます。
こんな方におすすめ
- タンパク質をどれくらい摂ればいいか知りたい方
- 運動量や年齢、体重からタンパク質の摂る量を知りたい
- タンパク質を摂りすぎるデメリットを知りたい
本記事の信憑性
理学療法士として病院に勤務。バスケットボール部のトレーナーとして食事や運動指導などもしています。
タンパク質は体を大きくするものだし、ムキムキになりたくないから…という考えの方が多いと思います。
しかし、ムキムキには相当量のタンパク質摂取をしながら高負荷で筋トレを継続しない限りなれません。
タンパク質は骨や筋肉、肌、内臓を作るものでありすごく重要です。
タンパク質不足や加齢にともない筋肉が減ると太る原因になります。
筋トレや運動をしない人でも、筋肉や骨、肌、内臓機能のためにも絶対にタンパク質摂取が必要です。
では実際に、タンパク質を体重や運動量によっての推奨量とタイミングなどをご紹介します。
目次
タンパク質の推奨量は?
タンパク質を取りなさいといいますが、一日あたりにどれくらいのタンパク質を摂取したらいいのかわからない方もいると思います。
厚生労働省が定めている日本人が摂取すべき1日あたりのタンパク質量は、18歳以上の男性で60g、女性で50gです。
これは、色々な研究の平均値になります。
運動量や筋肉量、体重、仕事など様々な要因よって異なります。
デスクワークの人と大工さんでは全然違いますし、デスクワークでも筋トレをしている場合だとまた変わってきます。
それぞれどう計算すべきか一つずつご紹介します。
①ダイエット中の人
ダイエット中は食事量が少なくなります。
炭水化物や脂質を減らした分、筋肉量の維持のためにも普段より多めのタンパク質摂取が好ましいです。
運動しない人でも体重1kgあたりタンパク質1.0gは最低でも摂取しましょう。
体重が60kgの人なら60gのタンパク質を最低でも摂るということになります。
ダイエット中に軽い運動や筋トレを開始した方は体重×1.5g、本格的に筋トレをしている人は体重×2.0gを目安に取るといいです。
メモ
タンパク質は脂質や炭水化物よりも脂肪になりにくいので、これを最低ラインとして少し多く摂取しても大丈夫です。
しかし、取りすぎた場合は結局太るので、他の栄養素と一緒に総摂取カロリーが消費カロリーを下回るようにしましょう。
タンパク質のとりすぎは害だといわれますが、それは下記にて後述します。
②身体活動レベルが普通の人
身体活動レベルとは厚労省が定めた下記のようなものになります。
生活活動強度指数 | 日常生活の内容 |
1.3(低い) | 散歩や買い物などゆっくりな1時間程度の歩行。他は読書や勉強、音楽鑑賞をする場合 |
1.5(普通) | 2時間程度の歩行や乗車、接客など。火事など立位業務が多い他は座位での生活 |
1.7(適度) | 1日1時間程度の身体活動を行う場合や農作業、漁業などの作業に従事する場合 |
1.9(高い) | 1日1時間は厳しいトレーニング。また、木材運搬や大工など強い作業に従事している |
これの普通に当てはまる方になります。
仕事をしており、運動していなければ普通(1.5)で大丈夫です。
普通レベルの方は、体重kg×タンパク質1gが最低限の目安とされます。
例えば体重60kgの人なら、60gのタンパク質が最低でも必要ということになります。
③筋肉をつけたい人、体重を増やしたい人
体重1kgあたり2gが必要推奨量です。
体重60kgの人なら120gを目安に摂取しましょう。
メモ
筋肉をつけたり、体重を増やすには摂取カロリーが消費カロリーよりも多くなることが必須です。この状態をアナボリックといい、逆にカロリーが下回る状態をカタボリックといいます。
朝は筋肉が作られるためのスイッチが入る時間でもあるので、朝から摂取するようにしたいですね。
朝が筋肉のゴールデンタイムであるとも言われており、朝にしっかりタンパク質を摂る人の方が筋肉量が多いとの報告もあります。
④高齢者の場合
60歳以上の高齢者は、若年層よりも多めの摂取がいいとされています。
高齢者の目安として体重kg×1.0〜1.1gです。
60歳を超えると筋肉量の減少が加速するため、抑えるためにも肉や魚などの良質なタンパク質を摂取しましょう。
筋肉量が急激に減少した状態をサルコペニアといい、放っておくと歩行不可能になったり生活に介護が必要になってしまいます。
若年層のサルコペニアも多くなっているので、早めの予防や改善のためにも食事を見直す必要があります。
私は帰省したら、祖母に少しでもタンパク質を摂るよう一緒にご飯を食べます。
両親や祖父母に元気でいてもらうためにも、タンパク質の摂取をお願いしましょう。
高齢でお肉や卵、魚があまり食べれない方は、ネットに高タンパクゼリーなどもあるので検討してみてください。
摂るタイミングと摂るべきもの
タイミングとしては朝、昼、夕の三食、それぞれ20〜30gずつ摂取できるといいです。
朝は抜きたいし、夜に一気にとれば良いのでは?と思う方もいると思います。
一食で多く摂取しても体内利用できず余剰分は尿として排出されます。多くても一食40〜50gまでにしましょう。
日本人はタンパク質の代謝に慣れていないとも言われており、多すぎると代謝できません。
腎臓や肝臓などの内臓や腸内環境悪化にもつながります。
急に増やすとおならが臭くなったりもするので、慣れるまで少しずつ増やすと良いです。
メモ
逆に、20g未満でもアミノ酸の血中濃度の上昇が不十分で筋肉の分解が進みやすいので20g以上の摂取が望ましいです。
実際にどんなものをとれば良いのか
朝は胃の負担になりにくく、消化しやすい牛乳やヨーグルト、納豆や卵を選びましょう。
注意
朝食を抜く方も多いですが、朝は夕食から時間が経っているので筋肉の分解を防ぐためにもしっかり摂取すべきです。朝食を抜く人は肥満になる原因になります。
時間がない方はプロテインや高タンパクヨーグルトでタンパク質を摂ることがおすすめです。
コンビニにも美味しいものが多いです。
昼と夜ではなるべく違うタンパク質を摂りましょう。
昼に牛肉であれば、夜は魚と豆腐、卵にするなどの工夫があればかなり良いです。
タンパク質だけ摂取しても、ビタミンやミネラルがなければ効果が薄くなります。
一緒に野菜や果物などを摂ることで満腹感も増えますし、腹持ちも良くなります。
メモ
ブロッコリーやほうれん草はビタミンB・Cと食物繊維も豊富で栄養価が高く、私はいつも付け足して摂取してます。
冷凍は栄養効果が悪くなると言われていますが、それでも栄養価は高いですし手間を考えると冷凍で十分です。
レンジに入れるだけなので、少しでも野菜を一緒に食べるようにしましょう。
タンパク質をとりすぎるとどうなるのか
タンパク質の摂りすぎによる肝臓や腎臓への負担があるという意見が多く見られます。
厚生労働省の食事摂取基準では、タンパク質の許容上限量を設定しうる根拠となる報告は見当たらないとされています。
高齢になると腎臓が悪くなりやすいため、そういった方に低タンパク食が推奨されますが、それについても科学的な根拠はありません。
アメリカでタンパク質を3〜4g摂る生活が腎臓への影響があるかを調べた研究があります。結果、腎臓への影響は認めなかったと報告されています。
タンパク質は害があると考えられがちですが、具体的な害の報告はありません。
しかし、タンパク質は体に良いとしてもカロリーを超えるような摂り過ぎは良くありません。
タンパク質は食べても太りにくいですが、カロリーオーバーすれば結局は太りますし内臓に負担はかかります。
メモ
私は本格的に筋トレをしていた時、体重あたり2.5〜3gの高タンパク生活を試しました。その時は肉ばかりで野菜の摂取量も少なく、便秘気味でお腹が張っていたりおならや尿が臭うような状態でした。
多すぎてうまく代謝できず、尿として排出したり、食物繊維が足りずに便秘になって腸内環境も悪化していたことが原因です。
少しずつ量を減らして野菜を増やすと、ある程度のタンパク質の量で臭いや便秘なども無くなりました。
注意
腸内環境が乱れるとダイエットも非効率的で内臓へ負担がかかります。腎不全になるときつい透析が一生必要で、腸内環境の悪化は大腸癌のリスクになります。
将来を考えてもバランス良く摂取するように心がけましょう。
まとめ
今回は、運動量や年齢、目的別にタンパク質の目標摂取量と取り方をまとめました。
タンパク質摂取量が少ないことはデメリットばかりです。
しっかりと摂取を心がけて、代謝の向上や筋肉量を維持しましょう。
目標は一食20g以上ですが、急に食事やライフスタイルを変えることは難しいです。
最近はコンビニに高タンパク食が色々あるので、毎食少しずつ今までの食事にタンパク質を増やすと良いですね。
無理なくタンパク質を摂取して、歳をとっても足腰強く健康でいられるようにしましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。