
どんな本なのか、重要な知識だと感じた理由や要点をまとめていきます。
この記事の信憑性
本の要約としては、筋肥大に重要な内容が科学的な根拠(エビデンス)に基づいてわかりやすく記載されています。
実際に行われている研究から内容や要点がまとめられており、筋トレの重要な知識が一冊で理解できるので、初心者〜上級者全ての方にオススメです。
結論を言うと、かなり重要な最新の知識がまとめられているので、筋トレをする方は一度読んでおくべきです。
筋トレを行うときの意識や効果が大きく変わり、やってしまいがちな無駄な筋トレが減ります。
本記事では「筋肥大に重要だと感じた要点のまとめ」をレビューしていきます。
目次
筋トレで重要な最新の知識まとめ
実際に記載されている要点7つをまとめます。
重要だと感じたのはこれら7点です。
一つずつまとめていきます。
①重量より総負荷量が大事
筋肥大させるためには、「重いものを持って、高強度のトレーニングを10回前後行う」という考え方が有名ですよね。
しかしこの本では、低強度でも総負荷量を高めれば高強度トレーニングと同等の効果が得られるという研究が紹介されています。
- 低強度でも「総負荷量」を高めることで高強度トレーニングと同等の筋肥大効果が期待できる
- 低強度でも全ての筋繊維を収縮することが可能で、高強度トレーニングと同等の筋肥大効果がある
総負荷量とは、トレーニングの強度(重さ)×回数×セット数のことになります。

100kgを5回持ち上げて疲労困憊になるより、70kgを10回行ったりセット数を増やす方が効率的ということになります。
初心者〜中級者は最初から高重量だとフォームが崩れやすく怪我のリスクも高くなるので、総負荷量を意識する必要があるとわかります。
メモ
筋肥大には高重量が必要ないわけではなく、筋肉を「慣れさせないこと」が重要です。
強度や回数を高めることで、総負荷量を上げることを意識しましょう。
②プロテインの正しい摂り方
筋トレ後30分以内に摂るべきだとよく聞きますよね。
しかし、運動後30分以内だけではもったいないと記載されています。
30分でピークを迎えますが、その後1日かけて吸収しやすい状態が続くと報告されています。
トレーニング後のプロテインだけでなく、1日かけてしっかりとタンパク質を摂ることが重要ということですね。
その際は、タンパク質を細かく分けて摂取するようにしましょう。
メモ
タンパク質は遺伝や筋肉量によって、1回で体が処理できる量が決まっているので、最大でも40〜50g以内にしましょう。
③セット間の休憩時間
ジムに行くと、休憩してすぐトレーニングを行う人を見かけます。
これは以前、休憩時間が短い方が成長ホルモンを分泌し、筋肉の合成に働くと報告されたためです。
現在はセット間のトレーニングによる成長ホルモンの分泌増加は筋の合成や筋肥大に関与しないという研究が報告されています。

重い重量を扱う人ほど、休憩時間が長い方が良いとも記載されています。
2分以上休んだ方が回復できるので、総負荷量を増加して筋肥大効果が高まるためです。
まとめ
- 初心者〜中級者:重量が重すぎないので休憩は1〜2分程度
- 上級者:重い重量を扱うので、セット間の休憩を2分以上は取る
④関節を動かす範囲
関節を動かす範囲も重要です。
最新の研究では、フルレンジの方が筋肉にかかる負荷は高くなるため、筋肥大に効果的だと報告されています。
これは有名だと思いますが、重量ばかりを気にして結構忘れがちですね。
重いダンベルを使っても可動域が狭いと目的の筋肉へ負荷が入らず、目的外の筋肉を使って総負荷量が低下する例があります。
重いものを挙げても筋肥大が起きない方は、これが原因かもしれません。
重量を下げても可動域や筋肉への刺激を意識して、対象部位への総負荷量を高めましょう。
⑤筋収縮はネガティブ?
筋肉の収縮には求心性収縮と遠心性収縮、等尺性収縮の3つの種類があります。
筋トレでは主に求心性収縮と遠心性収縮が用いられ、求心性をポジティブ、遠心性をネガティブと言います。
例
上腕二頭筋を鍛える場合、ダンベルを持ち上げて体に寄せる動作を求心性、肘をおろすときの重量に耐える動作を遠心性と言います。
また、途中で肘を動かさず中間位で堪える動作が等尺性収縮です。
ネガティブが最も大きな重量に耐えることができ、筋肉への刺激が大きいため筋肥大に効果的だと報告があります。
ポジティブよりもネガティブを意識して行うと筋肥大の効果を高められるということですね。
⑥運動スピードは?
運動スピードとは、先ほどの上腕二頭筋のトレーニングを例にすると、肘を曲げてから伸ばし終えるまでの時間になります。
曲げるのに3秒、伸ばすのに3秒なら6秒という感じですね。
最新の研究では、時間が8秒より遅いと筋肥大効果は低い、8秒以内なら時間による変化は少ないと報告されています。
つまり、8秒以内だと筋肥大効果が高く、8秒以上だと筋肥大効果が低いということです。
理由
遅い運動は長距離選手のような細く体力がある赤筋が発達。速い運動では瞬発力があって大きい短距離選手のような白筋が発達します。
筋肥大が目的ということであれば短距離選手のような、瞬発性のある大きな白筋が必要だからです。
そのため、ゆっくり行わず8秒以内での筋トレがいいとされています。
ネガティブを長めに意識しながら8秒以内で行うと効率的です。1〜2秒で収縮、4〜6秒かけてネガティブで刺激を入れるイメージです。
⑦筋トレを行う頻度は?
結論から言うと、1週間内の総負荷量が同じであれば週の筋トレ回数は関係がないと言う報告でした。
例えば、週ごとの総負荷量から考えると
- 20kg×10回×4セット×週3=2400kg
- 20kg×10回×2セット×週6=2400kg
週6でも週3でも総負荷量が同じなら効果に違いはないが、週1回では負荷が足りず、週2回以上行うと筋肥大の効果があると報告されてます。
もちろん週に5回通ってセット数をより増やせるといいですが、なかなか時間は作れません。
そういった場合は最低でも週2回以上、重量は同じでも回数やセット数を増やす、可動域を広げるなど、総負荷量を考えて取り組んでみましょう。
まとめ
「科学的に正しい筋トレ、最強の教科書」についてのレビュー、要点のまとめを記事にしました。
今回は理学療法士、トレーニーとして重要と感じたところを要約しましたが、本ではさらに詳しく重要な内容がまとめられています。
筋トレをする人は絶対に知っておくべきことや、わかりやすい最新の研究から基礎知識まで一冊で理解できます。
他にもいろんな本がありますが、エビデンスに基づいて記載されているので、他と比べても特に信憑性が高かったです。
効率よく筋肥大やトレーニングを行うためにも、一度読んでみることを強くオススメします。